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近鉄バス百科 路線篇3(休止路線・一般路線バス)

京都線(大安寺〜近鉄奈良駅前〜近鉄京都駅前)


系統番号がない方向幕をもったRJ(中型車) 近鉄奈良にて。京都行きのRC(大型車)

(左)京都駅にて。方向幕に系統番号がないのは珍しい(バス見聞録管理人氏提供)
(右)近鉄奈良駅にやってきた京都線 奈良交通バスが集まる中で異彩を放つ 1994.9.3
奈良交通バスの京都行きの画像はこちら(1990.11.1撮影)

●運行系統

上り 下り 運  行  経  路
60 51 大安寺−近鉄奈良駅前−木津−上狛車庫前−高麗−大久保−向島駅前−桃山−七条大橋−京都駅前−近鉄京都駅前
60 50 大安寺−近鉄奈良駅前−木津−上狛車庫前−高麗−大久保−向島駅前−桃山−七条大橋−京都駅前
61 61 大安寺−近鉄奈良駅前−木津−上狛車庫前
65 52 龍大城陽グランド前−大久保−向島駅前−桃山−七条大橋−京都駅前−近鉄京都駅前
65 53 龍大城陽グランド前−大久保−向島駅前−桃山−七条大橋−京都駅前
-- 54 龍大城陽グランド前−大久保−向島駅前−桃山
66 53 近鉄大久保−向島駅前−桃山−七条大橋−京都駅前−近鉄京都駅前
66 52 近鉄大久保−向島駅前−桃山−七条大橋−京都駅前
63 52 向島駅前−桃山−七条大橋−京都駅前−近鉄京都駅前
11 10 大久保−向島駅前
12 10 寺田新池−大久保−向島駅前
奈交91 八木駅前−田原本−国道横田−大安寺−近鉄奈良駅前−木津−大久保−向島駅前−京都駅前−近鉄京都駅前
(参考)
京阪2
(奈良→)近鉄奈良駅前−木津−大久保−向島駅前−京都駅前

註:龍大城陽グランド前〜京都が短縮されて、近鉄大久保〜京都を設定、さらに短縮されて向島駅前〜京都になったので、上記区間便全てが同時に存在したことはない。また、向島−大久保・寺田新池は1980年前後に設定されていたらしい。

●概要と歴史

 奈良と京都の2都市を結ぶ路線で、近鉄のほか、奈良交通と京阪バスも運行していました。京阪とは運行上は別個の路線の扱いでしたが、近鉄と奈良交通は停留所に関して共通のものとなっていました。
 もとは現在の近鉄京都線の前身である奈良電気鉄道のバスとして、奈良(一時期は橿原神宮前)〜京都を結んでいました。奈良電は京阪が主に出資した会社でしたが、当初から近鉄の前身である大阪電気軌道に乗り入れるなど、実際には近鉄寄りの経営をしていたといえます。1961年に同社は、近鉄資本への統一が行われ、このときの条件で京阪は子会社の京阪自動車(京阪バス)に京都〜奈良の路線バス運行を開始させることになります。
 奈良交通も、京都への進出を図り、奈良・五條から奈良を経由して京都までの路線(1日4往復)を開業しました。
 1963年に奈良電は近鉄へ吸収合併、同社バス部門は京都近鉄観光バスとして再出発します。のちに同社も近鉄に吸収されます。
 1960年代までは、ドル箱路線として利用者も多かった京都線ですが、その後は長距離ゆえの渋滞による遅れが多発、電車も便利になったことから利用者は減少します。
 1980年には、向島駅前に乗り入れるようになりますが、この頃から向島〜大久保・寺田新池の区間便が登場、京阪バスなども減便を開始します。この頃までは、京都〜奈良も各社間隔がなるべく均一になるようにダイヤを組んでいましたが、この変更でそれが崩れるようになってきました。
 1985年頃は、奈良〜京都直通は便数が1日10本程度、これに京都側、奈良側の区間運転が加わって1時間に1本程度が確保されていました。その後、奈良側は減便、京都側も区間短縮をします。1994年には、近鉄は奈良営業所の運行がなくなり、京都営業所のみ担当となります。奈良交通も、八木〜大安寺を廃止します。
 1996年に京阪バスと奈良交通の運行が廃止され、近鉄も第三日曜日に1往復だけの運行になり、1998年2月15日に完全に運転の休止が実施されました。現在も免許は残存していますが、運行再開はないものと思われます。

●運行ルート

 大安寺は、近鉄バスの奈良営業所前で、隣には奈良交通の車庫もあります。ここからは、JR奈良駅前まで通過します。京阪バスの奈良の始発は市内循環バス八軒町〜瓦町の間にあり、奈良行きは近鉄奈良駅で終点、京都行きは奈良停留所まで回送して、ここからJR奈良駅、近鉄奈良駅経由で京都まで運行していました。
 JR奈良駅の次は近鉄奈良駅前です。奈良交通便はここまでは各停で運転しますが、ここから木津までは「急行」として、近鉄バスと同じ停留所のみ停車していました(ただし、県庁前は近鉄のみ停車、のちに停車化?)。その先の般若寺市坂は3kmあまり無停車でした(ここで運賃が倍くらいに跳ね上がった。晩年には途中、奈良阪にも停車)。県庁前の先で奈良街道に入ります。途中からは国道24号線になります。
 京都府に入り、木津。泉大橋を渡り、上狛車庫前。ここはかつて近鉄バスの車庫があり、大安寺からここまでは1時間に1本程度確保されていました(ほかに奈交にも路線がある)。現在、車庫は近鉄物流が使用しています。
 右に山、左に木津川が流れる狭いエリアを走ります。高麗までは現在も大安寺から奈交が運行を続けています。山城大橋は田辺への入り口、その先の城陽グランド前は区間便の折り返しがあった停留所。城陽市役所前あたりまで来ると、近鉄京都線とJR奈良線が接近してきます。これも京都線のバスにとっては不運でした。大久保は城陽グランド行きが区間短縮されたあとの折り返し地で、折り返しは大久保駅前で行っていました。大川原は、奈良交通京都支社前。今でも田辺付近の路線を担当しているため、ここと新田辺の間には僅かながらバスが走っています。
 京都市内に入り、国道24号を外れ、向島団地内を走ると、向島駅前。向島エリアは今でも近鉄バスが走るエリアです。再び国道に戻り、観月橋を渡ると、桃陵団地前。ここから近鉄京都駅まで、京都行きは降車のみ、奈良行きは乗車のみ可能のクローズドドア制になります(京阪は乗降自由)。近鉄バスは市内にも路線を持ちながら、市内事業者扱いされていなかったのは残念です。ただし、これも末期には解消されていました。
 丹波橋からは狭い市内の道に入り、鴨川を左に見て東福寺。その先でJR線をくぐり、七条大橋で左折、橋を渡って、烏丸通りから京都駅前に到着します。ここから更に1kmほど駅の周りを走って、八条口の近鉄京都駅前が終点です。バスは新・都ホテル裏にある折り返し場に待機していました。

●運賃

 奈良市内(大安寺〜奈良阪)、京都市内(桃陵団地前〜近鉄京都駅前)は均一制、ほかは対キロ区間制でした。1994年当時、大安寺〜近鉄京都駅前は1,350円でした。

●ダイヤ 

 1985年当時、奈良〜京都直通は近鉄5往復、奈交1往復、京阪4往復でした。区間便は近鉄のみ、京都〜城陽グランド前と大安寺〜上狛車庫前があり、直通とあわせて1時間に1本以上は概ね確保されていました。
 1987年頃、京都〜城陽グランド系統が大久保駅前止めに短縮、大安寺〜上狛車庫前も減便され、1991年ごろまでその体制が続きます。
 1993年に減便され、直通は近鉄2往復、奈交1往復(但し八木〜大安寺短縮)、京阪3往復と、近鉄が向島駅前〜近鉄京都駅前に3往復の区間便を走らせていました。しかし奈良では、6便のうち3便が平日の11時台に来るダイヤで、京阪と奈交の間隔は10分ほどしか開いていないという、使いにくいものでした。
 1996年には京阪と奈交がなくなり、近鉄は第三日曜日の朝に京都を出て、昼に戻ってくる1往復のみになりました。
 なお、大安寺〜京都間は所要1時間45分ほどですが、渋滞に巻き込まれると2時間以上かかることも珍しくなかったようです。

●車両

 上写真のように大型と中型の併用でした。大型は大阪地区からの転属車も多く、旧年式車も数多く活躍していました。後年は大阪地区が排ガス規制にかかるため、旧年式大型車の日野RCが主力でした。
 奈良交通はやはり日野RC(ただしエアサス)、京阪バスは最終期は中型(三菱エアロミディMK)でした。

●考察

 京都〜奈良という、長距離の路線で、なおかつ鉄道との競合もあったため、かなり運行には苦労したものと思われます。結果、運賃は倍以上の差がつき、所要は3倍ですから直通はもちろん物好きくらいしか乗らないわけで、あとは区間利用に掛けたかった面もありますが、結果としてはそれもかなわず今では京都と奈良をバスで移動すること自体かなりの困難になってしまいました。
 また、京都市内でクローズドドア制をとっていたことも、痛かったといえるでしょう。京都市との協定で行っていたことなのですが、結果的には利用者本位とはいえない状況を作ってしまったように思われます。
 免許の活用方法はそう簡単には見つかりません。新たな路線としてけいはんな学研都市と京都・奈良の直通路線などは考えられてもいいかもしれません(京都は厳しいかも)。

*情報・画像提供:ゆーびんや氏、バス見聞録管理人氏、木祖急氏
(最終更新:2005.1.1)

 

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